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極上素材物語1 〜真珠〜

わたしにとって「真珠」は、数ある極上素材のなかでも一番思い入れが深いものである。というのは、わたしがこの世界に足を踏み入れるきっかけになったのがこの真珠なのだ。
20年以上も前のこと、上海の友諠商店で「真珠クリーム」を発見した。日本人としてのわたしには、真珠とは、体を飾るものであって、肌に塗ったり、口に入れるということは、想像を絶することだった。このときに感じた「???」がわたしを美容と、中医学の道に導いてくれたのだ。

◆真珠はご存知のとおりれっきとした漢方薬だ。

真珠はご存知のとおりれっきとした漢方薬だ。
「肌に潤いをあたえ、しみやシワを消し、皮膚を再生し、顔色を良くし、精神安定作用や解毒作用もある」(本草綱目)
「真珠に含まれるカルシウムが、精神的不安を解消し、不老不死が得られる。緩んだからだを引き締める」(神農本草経)
「人をして潤沢ならしめ、顔色を良くする」(開宝本草)
など、多くの漢方の本に真珠の持つ美容的効能が記されている。

真珠はその90%が炭酸カルシウムからなり、ほかはアミノ酸などの有機物と水分で構成されている。アミノ酸には20種類以上もの成分が含まれ、中でも真珠の光沢を生み出すコンキオリンアミノ酸は良質の蛋白質で、保湿成分を含んでいる上に、カルシウムの吸収を助け、潤いを生み出すコラーゲン繊維と似た働きをする。肌や髪に潤いとつやを与えることから、化粧品やシャンプー、リンスなどに真珠末を加えたものも多い。また、飲用すれば、からだの内部から全身の肌への潤いを補給し、細胞の活性化だけでなく、しみ、そばかすにまで効果がある。また、血液をさらさらにするといわれ、高血脂症のひとの中性脂肪を減らす効能も確認されている。
真珠の主成分である炭酸カルシウムは、人間の体にとって吸収しやすいカルシウムで、カルシウム補給の効能も見直されている。骨のためはもちろん、カルシウム不足によるイライラや不眠症にもいいらしい。
これだけの効能が、ある真珠。身に着けてうっとりするだけでも効果抜群だが、美容と健康にも一役かってくれる小さな輝きだ。

◆真珠の化学成分

真珠の成分内容はとても複雑ですが、近年の分析機器と方法の発達により、以下のよう分析が可能となった。
真珠の主要成分は、炭酸カルシウム[CaCO3]で、80.82~94.70%占めている。 他には、炭酸マグネシウム、酸化ケイ素、リン酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化鉄などの無機物であり、人体に必要とされる微量元素である、カルシウム、ナトリウム、リン、カリウム、マグネシウム、リュウ、アルミニウム、銅、鉄、マンガン、亜鉛、ケイ素、チタン、コバルト、クロム、ゲルマニウムなども含まれている。

北京中医中薬研究所の陳博士の分析結果は下記の通りである。

真珠には、有機物と水分がそれぞれ5.94%と2.23%含まれている。 有機物の中には十数種類のアミノ酸が含まれる。

◆真珠末の伝統的な製造方法

厳選した真珠を洗浄し、布や絹製の袋に入れ、水を加え豆腐と一緒に約2時間煮る。(真珠に含まれる水銀などの有害物質が豆腐に吸収され豆腐の色が黒っぽくなる)
真珠を出し洗浄する。
綺麗になった真珠を砕いて、少々の水を加えて、細かく研磨する。
乾燥と滅菌の段階を終えると真珠末が完成する。

化粧品の成分としては、真珠末をそのまま使う場合と、真珠末に酸を加えて脱灰した後蛋白質であるコンキオリンを得て、それを加水分解して水溶液にしてから使う場合がある。

◆西太后も愛用した珍珠宝潤粉

中国歴代皇室の皇后をはじめ宮廷貴婦人たちにとって、化粧は生活のなかで大きな比重を占めていた。 西太后はもちろんそのうちの一人であり、むしろ彼女こそその最たる人だった。 清朝政府末期の、48年間の長き間事実上の執政者であった西太后にとって、毎朝起床すると幾多の侍女にかしづかれて行う化粧が一日の始まりであり、それは大事件でも起きたような大騒ぎのもとで行われていたようだ。 また就寝前の化粧もたいへんで、この化粧のために太医院に勤務する多くの高名な侍医たちは、多くの漢方化粧法を考案しなければならなかった。

西太后は還暦を過ぎてもなお非常に若い肌の持ち主であったとよく語られているが、これもひとえに漢方化粧のおかげであったことは言うまでもない。

彼女が特に気に入り、常用していた漢方化粧法に「玉容散」という漢方の処方があったと言われるが、これこそ西太后が死ぬまで続けていた珍珠宝潤粉(真珠パック)だ。

真珠粉の製造方法と使用方法

材料     : よく光って、潤いを感じるような天然の真珠
作り方    : 細かい微粉末にする
使用法(1) : 10日に一度、ごく小さな茶さじに1杯を温かいお茶で飲む
使用法(2) : 水または卵のしろみを混入した水で練ってパックする
効果     : つねに青春を保ち、皮膚は柔軟になりすべすべして光沢を保ちつづける

◆西太后の残した言葉

西太后はさまざまな化粧法の中でもこの真珠の粉を飲む事を非常に重んじていた。 ある日、侍女の徳齢に「真珠の粉は分量が非常に大切で、少しづつ何年も飲んでいると若さを保つのによく、その結果は皮膚の上に現れてきて、人の肌は永久に柔らかく光沢のあるすべすべしたものとなり、歳をとっても若い娘との差はなくなる。 要は一回の分量が多すぎたり、続けて飲んだりすると体に逆効果であることを知っておきなさい。」と教えた。(これは、その当時の真珠末の精製度が悪かったせいと思われる。)

西太后は10日間で茶さじ1杯の真珠粉を飲んでいたとの記録があるが、当時の茶さじは現在使っているものではなく、銀製の非常に小さなものでした。 一般的に真珠粉の1回の使用量は0.13グラムから0.6グラムだとされる。

「きれいは、からだの外と内から」というのがわたしのコンセプトなのであるが、その考えのもとになったのがこの真珠の存在だったのだ。