ホーム > 美を伝える取り組み>開発ストーリー > 迷奇(メイキ)

迷奇(メイキ)

兵士の肌治療し、予防するために生まれた迷奇は、世界に名を馳せる奇跡のクリーム。現在でもその効果から不動の地位を守り続ける伝統のブランド迷奇のもうひとつの顔とも言えるミリオンセラーアイテム「無香料迷奇」の開発にかかわっていたのは、楊さちこだった。

迷奇のはじまり

中国三大コスメブランドのひとつ迷奇は、もともと国の最高指導者の医療施設である中国人民解放軍総医院(通称301病院)のプロデュース作品でした。
「どうして、人民解放軍とスキンケアアイテムが関係するのだろう?」と疑問をお持ちになる方が多いと思います。
当時、私もその話を耳にしたときにとても不思議に感じたのですが、実は人民解放軍の兵士たちは、男性も女性も一緒に、真夏の太陽がじりじり照りつけるように暑い日も、大雪で太陽の照り返しがとても眩しい日にも、山を越えたり、川を渡ったりというハードな訓練を続けていて、直射日光や湿度の関係で、肌がぼろぼろになってしまうことが多かったそうです。そこで、その肌の治療と予防に当たるべく301病院の医師団がプロデュースし、何百万人もの兵士たちの反応を診て、改良に改良を積み重ねることなんと10数年の歳月をかけて驚異的な肌用クリームを完成させました。
それが、「迷奇ミラクルクリーム」だったのです。
この「迷奇ミラクルクリーム」は、1987年に米国FDAが認可し、世界の新聞社が“奇跡のクリーム”と絶賛し、キャビンアテンダントの口コミもあって世界中に愛用者が生まれました。

お手軽ながら効果大、でも・・・

ご存知の方も多いと思いますが、中国漢方コスメの良さとは、その納得の手ごたえにあります。しかし、コスメを使う女性の心理としては、手ごたえだけでは心が動きにくくなるのも事実です。やはり、そのテクスチャーや、香り、パッケージも、アイテムの好き嫌いに大きくかかわってくるものです。しかし、残念ながらアジア製のコスメは、手ごたえ第一で、そこまで深く考えられたものはあまり多くはありません。
また、当時の中国女性の嗜好は、「スキンケアアイテムにフローラルな香りがないと、スキンケアをした気にならない」だったので、中国化粧品はフローラルな強い香りがするものが主流でした。
1990年代初期には香港土産の超定番アイテムになっていた「迷奇ミラクルクリーム」も、その例にもれず「昭和の時代の授業参観日にお母さんが集まった教室のニオイ」を振りまいておりました。
このクリームは、洗顔後に塗るだけで、(つまりワンステップで)吹き出物やしみ、しわなど、いろいろな悩みを解決してくれる、お手軽ながらとても効き目の高いアイテムだと言う評価を受けていたので、「匂いは気になるけれど、コレじゃないとダメ!」な時があり、私はいつも息を止めて使っていました。塗ってしばらくするとニオイが薄くなるのが、救いといえば救いでしたが・・・。

匂いに対する嗜好の違いを理解してもらうために

当時の私の仕事は、アジアをはじめとする世界の「体の内と外からきれいになるモノ」を日本に紹介することでした。その流れで、北京郊外にある迷奇の研究所を訪ねました。そこで、仕事のついでを装って、迷奇クリームの匂いについて私の思うところをお話しさせていただいたところ、このひとは、なぜこんな質問をするんだろう?というような怪訝な面持ちで、「迷奇は、中国国内のほとんどのデパート、ショッピングセンター、空港、観光地のお店で、販売しているほどのヒット商品だし、欧米でもアジアの国でもたくさんのひとに愛用されている。『いい匂い』だとほめられることはあっても『匂いをなくして欲しい』などとは言われたことはありません。」と答えられました。
そういえば、香港の代理店の人が、「迷奇はフランスから香料を輸入しているのよ!」と自慢げに語っていたことを思い出しました。

その翌月に、迷奇の研究所長さんが香港のコスメフェアに行くというのを知ったので、「コスメフェアで世界のスキンケアアイテムをご覧になった後であれば、私の言いたいことを理解して頂けるかもしれない」と思いました。
でも、残念ながらその年のコスメフェアは欧米からの出展が多かったせいか、匂いの強いコスメばかりを見学されたので「ほら!」という顔をされ、私の思いには同意して頂けませんでした。
そこで私は、日本製やフランス製など、世界各国の有名ブランドの無香性のアイテムを山ほど持って再び研究所を訪ねました。
そして、ひとつずつのふたを開けた時のニオイや、肌に塗った後のニオイを確かめていただきました。
それでやっと、匂いのあるスキンケアアイテムもあるけれど、匂いがないものもあるということ、つまり、匂いのあるのが好きな人もいるけれど、匂いがないのを好きな人もいるということを理解してもらいました。

迷奇無香料クリーム誕生!!

私は、「ニオイは無し。塗り終わってしばらくするとさらさらになる。それでも効果は従来通り」の迷奇を作って欲しいのだということを切に訴えました。

それで、サンプル制作を始めました。
第一サンプルは、匂いを30%カットしたものでした。
「違います!匂いナシ!にしてください。」
第二サンプルは、匂いを50%カットしたものでした。
「違います!匂いナシ!にしてください。」
第三サンプルは、匂いを70%カットしたものでした。
「違います!香料を入れないでください。」
研究所としては、香料を入れないと、原料の匂いがするので、それを考慮して香料を少しだけでもと入れていたのだということがわかりました。
第四サンプルになってやっと、現行のものが出来上がったのです。

「本当に香料を入れなくてもいいのか?それで大丈夫なのか?」と最後まで所長さんは半信半疑でした。
しかし、無香料クリームが販売され始めると、「こう言うのが欲しかった」という声の嵐と、絶大な支持により、香港、中国では、一世を風靡してしまったのです。
それを肌で感じた所長さんは、迷奇のオリジナルとともに作り続けると約束して下さったのです。

また、10年以上が過ぎた現在でも、手に取って使う女性が多い迷奇無香料クリーム。
その支持率の高さがうかがえます。